一戸建てのリフォームを行う理由として最も多いのは現在の住環境に家の構造がそぐわなくなったことによるものです。日本の住宅は古くは小さな個室が多く取られていましたが、現代では部屋を広くすることで解放感を与えるのが主流となっています。これは子どもが多くそれぞれのプライバシーを重視した時代から家族みんなが集まれる部屋を重視する傾向に変わってきていることが伺えます。
そのため、最近の新築の注文住宅では一階に広い部屋を確保し、寝室や個人の部屋などは二階に確保する形が増えています。また平屋の場合には玄関を入ったすぐの部屋は広い部屋とし、奥の部分に寝室や個人の部屋などを配置する傾向が有ります。これは従来の寝室を一階に配置していた住宅とは大きく異なっている点です。
このようなデザインは欧米の住宅では一般的で、欧米の住宅の場合には玄関を入るとすぐにリビングが有り、ダイイングやキッチンもこの部屋に繋がる形で配置される形になっていることが多いものです。日本に於いてもこのようなデザインが好まれるようになったことから、新築の注文住宅ではこのような間取りが基本とされることが多いのです。
しかし、リフォームをする場合には古い間取りの影響を受けることが多く、なかなか広い部屋を一階に配置するというのは非常に難しい面がありました。そのため扉を排して一つの部屋のように見せるといった工夫はされていましたが間仕切りなどが障害となり、新築の住宅のような解放感はなかなか得ることが難しい物でした。
そこで最近増えている方法が、住宅の基本となる部分のみを残して大胆に間取りなどを変えてしまうリノベーションと呼ばれる方法です。この方法は一般的に言われるリフォームと異なり、壁などを取り払って新しい間取りに組み替えてしまうといったことで、まるで新築の注文住宅のような雰囲気にすることができるようになるのです。但し、基礎部分は従来の住宅のものを流用するため、住宅で最も重要である基礎部分を活かせることで新築住宅を建てる場合に比べ大幅に費用が削減できるというメリットも有ります。
このようなリノベーションを行う場合には、デザインを行う際の技術力が大きく影響します。その為、工務店によってはなかなか大胆なリノベーションができないところも少なくありません。住宅のリフォームを行う場合には工務店の技術力なども充分に比較し選ぶことが大切です。良いリフォームを行うことで、注文住宅を新たに購入したように感じることも有るのです。