家の修理を目的とした小規模なリフォームなら問題ないのですが、壁や床の修理に加え、間取りを変更するような大規模で高額な費用の必要なリフォームをする場合、ケースによっては家の新築のときと同じように引っ越しや仮住まいを準備する必要があります。家全体をリフォームする商品を提供する大手企業の中には、家の全面改修をおこない、まるで新築の注文住宅のような見た目に再現できる商品などもありますが、メーカーの最大の売りは全面リフォームであっても家に住みながら工事を進行できることを主張することがあります。ただしリフォーム工事によって家全体にさまざまな種類の工事が入るため、生活しながらといってもまずは家の中の家財道具を必要最小限だけ残して全ていったん預けるようにしたり、工事も一度に出来ないため、何日にも分けて一部屋ずつ仕上げていくといった方法が必要になります。これは大手企業ならではのノウハウとさまざまな工事にきめ細かく対応できる独自のネットワークを持っているからこそ実現することなので、例えば小規模な工務店に同じように住みながらリフォームを依頼しようとすれば、ただ時間と手間がかかるだけであまりメリットのない方法になってしまいます。
リフォーム中に住みながら工事を進めていくことのメリットは、引っ越しや仮住まいの費用が節約できることもありますが、少しずつ理想の形に出来上がってゆく自宅を自分の目でリフォームの進捗状況を確認できるというところです。たとえ毎日仕事で昼間は留守にしている場合でも、帰宅するたびに新しくきれいになってゆくマイホームを直接見られるのは、この方法をとった場合にだけ味わえることです。勿論ケースによっては引っ越したほうが効率的で工事費用も安く済むような場合もあるので、必ずしもリフォーム中に住みながら工事を行うことだけがベストとはいえません。
また、新築の注文住宅なら間取りなども自由自在に好みを反映して作ることが出来ますが、リフォームだと間取りの変更などは条件によっては出来ないことも考えられるし、実際に壁や屋根を壊してみたら不具合が見つかって設計を変更せざるを得ないというケースもあります。そんなときも、家で生活しながらリフォームをおこなうと、そうした状況もすぐに把握できて施工者との打ち合わせもすぐに出来るという良さもあります。どちらが適しているかは依頼するリフォーム業者に相談して決めることが大切です。